腰が痛いのは苦痛だ。
何もやる気が出ないし、実際全ての作業効率が低下する。
理由は、痛みという知覚反応が
脳のほとんどの領域を支配することにある。
しかし脳から発せられる痛みというサインは、
生きていくためには絶対に欠かせない。
生まれつき痛みを感じない障害を持った人は、
基本的には成人する前に人生を終えてしまう。
だから痛みを憎むのではなく、
『もうその(痛みを引き起こす)行動をやめてね!』という
ありがたい信号だと認識しよう。
それだけで幾分か痛みの感じ方が変化することが研究で分かっている。
と、腰痛と体幹トレーニングとの関係を紐解く前に、
痛みに関する基礎知識を知ってもらった。
では本題に入っていこう。
▢ 体幹の強さと腰痛は関係がない
腰痛には様々な種類がある。
原因や場所、痛み方など多種多様だ。
これから解説していくのは主に慢性的な腰痛の話しだと思ってもらいたい。
そしてその慢性的な腰痛を抱えた人で、
「体幹トレーニングをした方がいいよ!」と聞いたことがある人は
どのくらいいるだろうか。
結論から言えば、これは“半分”間違っている。
そもそも体幹の強さとはいったいどうやって計測するのか?
これはかなり難しい。
だがわかっていることもある。
研究によって、
腰痛と姿勢との間には相関関係はないことが分かっている。
つまり、
姿勢が悪いことは腰痛の引き金にはならないということだ。
次にわかっていることは、
美しい姿勢を維持するためには
体幹の筋力はあまり必要がないということ。
姿勢とは結局のところ“脳”である。
(姿勢の話はまたどこかの記事で)
これらの結果を総合すると、
『腰痛を改善するためにあえて体幹トレーニングをする必要はない!』
と結論できるのだ。
しかしこの結論に納得できない人もいるだろう。
▢ 体幹トレーニング=腰痛改善のホントの部分
おそらく過去に腰痛を抱えていて、
トレーナーや本やメディアが言うように体幹トレーニングを継続したら
その痛みが改善したと実感している人もかなり多いはず。
そう、体幹トレーニングは実際に腰痛を軽減させる。
これもまた事実なのである。
だがこの上の文章から“体幹”という2文字は抜いてもいい。
つまり、
トレーニングや運動することそのものが(体幹トレーニングに限らず)、
腰痛を軽減させる効果をもたらす。
したがって、
体幹トレーニング=腰痛改善は半分はホントと言えるのだ。
▢ 慢性腰痛の有効な改善方法
ということで、現在のところ
腰痛と“体幹”トレーニングとの関連性は薄いと
研究結果は示している。
※リサーチ元は全てベン・コーマック氏のセミナーより参照
ここで重要なのは、
体幹を鍛える目的であろうとなかろうと、
運動すること自体に意味があるのだ。
運動の内容は何でもいい。
慢性的な腰痛と決別したければ、
とにかく体を動かそう!
できれば毎日。
(痛みがない範囲で!!)
▢ まとめ
痛みとは
私たちが生きていくために必要な信号である。
悪者だと決めつけるのはやめよう!
痛みを感じた時に考えなければいけないのは、
いったいこの痛みを引き起こした原因が何なのかを
自分で探ること。
慢性腰痛の場合は、
運動の量と多様性が不足していることが
原因になる可能性が高い。
人体は動くために設計されているのだ。
記事:BLDA会長 神尾健太 ➡ About Me
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